雲霞や和の装いを纏ったa.flatのクラウドグレースタイル

しっとりと山に架かる雲霞は、山々が連なる風景に独特の陰影の濃淡を与え水墨画のように描き変えます。静かに色合いを変化させながら周囲を包む霧や霞は時の流れも一緒に馴染ませてしまうかのような心地にさせます。ゆるやかに流れる時間が、記憶や感情を調和し心を落ち着かせます。

優しく海を撫でる雲霞は、冷たい朝の水面にやわらかな絹の衣をかけたように風景に纏います。船や沖合いの島々を一緒に包み込んで馴染ませ、風景を1つの穏やかで幻想的な空間に纏め上げます。海と雲に反射する淡い光りの層は優しく暖かく今日一日の始まりを導きます。

静かに街を覆う雲は、都会の喧騒を丸ごと包み込んで休息を与えてくれます。無機質なコンクリートのビル郡にかかった淡いグレーのフィルターは、普段見え過ぎるものをそっと隠して力強いシルエットだけを陰影のグラデーションの中に浮かび上がらせます。何か大切なものを思い出させてくれるような、そんな情景を作ります。

〈京都の街並み〉
文化の中心として栄えてきた京都には、今でも昔ながらの美観が根付いています。家屋の柱や屋根、街燈がモノトーンで統一された穏やかで上品な街並みは足を運んだ人の心を癒してくれます。落ち着いた色合いの景観の中で、桜や紅葉、着物の帯や簪、傘などの鮮やかな色彩が美しく映えて目を惹きます。

〈いぶし銀の瓦屋根〉
日本の瓦の歴史は五千年とも言われる程古く、日本人ほど瓦の形や色に拘りを持つ民族は居ないと言われています。安土城の建設時に明から伝承されたいぶし銀の瓦は、土地や家屋に馴染む程に、経年変化で味わいと深みを増してより美しくなります。時を重ねることの趣や感慨深さを教えてくれます。

〈枯山水〉
小石や白砂などで山水や自然の風景を表現する日本の庭園の様式のひとつ。水を使わずに波紋や水の流れを抽象的に表しています。日本独自の美観と詫び寂びから生まれた優美で神秘的な世界観を体感することが出来ます。

〈鼠色の和装の帯〉
室町時代には詫び寂びの精神が栄えて黒や鈍色などの渋い色が好まれ、江戸時代には奢侈禁止令で派手な色が制限され、茶色や鼠色の微妙な色の変化を楽しむことが粋でお洒落だとされていました。グレーは古くから日本の歴史や精神に欠かせない色なのです。

クラウドグレー・スタイルは、無彩色のグレーを中心にした、グレーの魅力を最大限に引き出したカラーコーディネートのスタイルです。家具やファブリックなどの多種多様なグレーを組み合わせれば、上質なグレーの世界観を生み出せます。

クラウドグレー・スタイルの主役となるグレーに、彩度の低いパープルを組みわせることで、異なる雰囲気のリビングルームを演出できます。グレーの空間にさり気なくアクセントを加えることがポイントです。

グレーの持つ静寂なイメージは、寝室に必要な落ち着いた雰囲気を演出する際、相性が良いカラーです。和紙などを使用した天然素材の間接照明を取り入れることで、就寝前にリラックスしながら眠りにつくことができます。

緑豊かな山の上の窓一面から光りが差し込む明るいお部屋に、落ち着いたグレーと上品な和のテイストを組み合わせて、山の景色の一日の移ろいを静かに穏やかに感じ取ることが出来る空間を作りました。

モノトーンと直線のデザインで統一した居間は、昔ながらの日本の様式にクラウドグレーを融合させて斬新でスタイリッシュな空間にコーディネートしました。

寝室にはやわらかく山に架かる雲をイメージしたトープのベッドスプレッドを掛け、静かに深い眠りにつけるような清潔感と軽やかさのある空間を作りました。

キッチンボードやアートボードの横に流れるラインと明るく温かみのあるグレー（DG）のヒヤシンスチェアで、やわらかな風が優しく抜けていくようなイメージのキッチン・ダイニング空間を作りました。

ロータイプのテレビボードとロータイプのベッドを配置し、落ち着いたグレーカラーでコーディネートすることで静かに夜に沈んでいく空気をイメージした寝室を作りました。

都会の中に新築した戸建てに、家族が揃って賑やかに団欒を囲めるような広々とした温かな空間をクラウドグレーの和モダンスタイルでコーディネートしました。

座面の広いロータイプのソファに温かみのあるグレーのカバーを使い、明るくやわらかな色味のラグを敷くことで老若男女問わず馴染み易くゆったりと寛げるリビングルームに仕上げました。

自然の温かみを感じる障子や畳に、ダークブラウンの家具とグレー系のファブリックを合わせて、都会に中心に居ることを忘れてしまうようなしっとりと落ち着いた和モダンテイストの居間を作りました。