モダン、北欧風、アジアンなどといったインテリアのスタイルはお部屋の印象を大きく左右します。そのため、お部屋のコーディネートを始める際にはまず大まかなスタイルを決めることから始めるのが一般的ですが、なかなかスタイルが絞り込めない、好きなテイストがお部屋の雰囲気に似合うか分からないといった悩みも多く聞かれます。そこで、そんな悩みを解消してくれるのが複数のスタイルを組合せたミックススタイルです。ミックススタイルは個性的でおしゃれな雰囲気が作りやすく、自分好みのお部屋をコーディネートするのに適しています。今回はお部屋づくりをより楽しむことができるミックススタイルの魅力と、人気のアジアンスタイルを取り入れたミックススタイルについて紹介します。
ミックススタイルとは
インテリアコーディネートにおけるミックススタイルとは、ひとつのテイストにこだわらず、お部屋の中にいくつかのテイストを織り交ぜることを指します。写真のように、ダイニングテーブルにあえてデザインの異なる様々な種類のチェアを合わせることもミックスインテリアの一例です。こうして統一感やバランスが少しだけ崩れることによって、作り込みすぎていないラフな「抜け感」を演出することができます。この抜け感こそがおしゃれに魅せるポイントなのです。雑誌や広告などでよく見かける海外のハイセンスなインテリア実例は、こうしたミックススタイルを取り入れているケースが非常に多く、最近では日本でもスタンダードに受け入れられつつあります。
ミックススタイルのインテリアが人気の理由
ミックススタイルの注意点
ミックススタイルに取り入れ易いアジアンインテリア
他のテイストにも合わせ易い
自然素材でできた家具はアジアンテイストの特徴でもあります。自然素材らしい素朴であたたかみのある質感や落ち着いた色合いは自然と空間に馴染みます。また、デザインも装飾の少ないシンプルなものが多いため、他のテイストの家具を合わせても違和感がないのです。とはいえオリエンタルな雰囲気がありシンプルになり過ぎないため、ワンポイントとしてミックスさせるアイテムとしても重宝します。
非日常を感じられる
取り入れたいテイストを自分好みの割合でミックスする方法
■さり気なくアジアンをミックスさせたコーディネート【割合30%~50%】
他のテイストをメインに、アクセント程度にさりげなくアジアンスタイルをミックスさせるパターンになります。この場合、ベースの家具よりも雑貨や小物など装飾の部分を中心にアジアンスタイルを取り入れると、丁度良いバランスに仕上がります。ミックススタイルが初めての方でも上手にコーディネートできる方法となります。
直線的でシンプルな家具でまとめた空間に、カラーコーディネートや壁面装飾でさり気なくアジアンスタイルをミックスしています。全体的に見てアジアンの要素は極力少なめですが、ベースがシンプルスタイルなのでこれから雑貨や装飾を増やして割合を調整することもできるでしょう。
テレビボード全面に施されたルーバーデザインは、シンプルながらアジアンの要素も感じさせてくれます。
淡い色合いの空間の中にアジアンリゾートの海のような深いブルーカラーのクッションをプラスしたことで、お部屋が引き締まって見えます。
落ち着いたモダンスタイルとシックなカラーコーディネートをベースに、アジアンらしさを感じるランプやベッド装飾をアクセントとしてミックスしています。ベッドルームは家具自体が少ないので、装飾の割合によって印象を変化させることができます。
独特の素材感がまるで本物の樹幹のようなアートパネルは、モダンとアジアンどちらの雰囲気も持ち合わせています。
アジアンらしい大き目の花柄はベッドスローで控えめに取り入れています。これだけでもリゾートホテルのような雰囲気を演出することができます。
ベッド脇には独特なデザインのフロアーランプを配置。夜になって灯りを灯すと、アジアンな雰囲気を高めることができます。
■他のスタイルとアジアンとのミックスコーディネート【割合50%~80%】
アジアンスタイルをベースに、他テイストをミックスさせたパターンとなります。インテリアのメインとなる大型家具はアジアン要素が強いものを選び、カラーコーディネートや小さめの家具で他のスタイルを加えることでバランスを調整します。最もミックススタイルらしい、王道のコーディネート方法と言えるでしょう。
お部屋のメインアイテムであるコーナーソファは、ヒヤシンス素材のものをチョイスしてアジアンらしさを演出。その他にナチュラルで温かみのある無垢材のダイニングや、ペールトーンのカラーコーディネートで北欧らしい柔らかな印象をミックスしています。
アジアンを代表するヒヤシンス素材ですが、色合いが淡く柔らかな印象のため、実はナチュラルなテイストにも良く合います。
無垢材のダイニングテーブルには、同じく木製のチェアやベンチを組み合わせることで、北欧らしいナチュラルさを演出しています。
こちらもアジアンらしさを感じるラタン編みのローソファをメインに配置。あえてダイニングテーブルを置かず、ローテーブルのスペースを大きくとったことで床座の生活スタイルを強調した点に、和の要素を感じることができます。
メインアイテムであるラタン編みとロースタイルが特徴のソファは、アジアンだけでなく和のスタイルにも通じるものがあります。
アジアン風のローテーブルを並べて座卓にしています。和とアジアンスタイルには共通項目も多く、ミックスしやすい組合せとも言えるでしょう。
■アジアンスタイルをメインにコーディネート【割合80%~】
この場合は家具や装飾など、インテリアの大部分にアジアン要素を盛り込み、アジアンスタイルをベースに展開していきます。そしてアジアンスタイルを少し緩和させるように、カラーコーディネート等で他のスタイルをミックスさせていきます。アジアンスタイルが好きで、それにプラスしてオリジナリティを演出したい方におすすめのコーディネート方法です。
ソファ、ローテーブル、ダイニングチェアなどお部屋の所々にヒヤシンス編みのアイテムを配置してリゾートの雰囲気を前面に出しています。そこへベージュや、落ち着いた色合いのグリーンなどアースカラーで配色し、ナチュラルなスタイルをミックスしています。
ロースタイル+ヒヤシンス素材のソファは、ゆったりとした奥行き感があり、アジアンリゾートのように優雅な時を過ごすには最適のアイテムです。
小ぶりなダイニングテーブルにはヒヤシンス編みのチェアを合わせています。チェアの組合せ次第でもスタイルに変化を与えることができます。
ダークグレー色のヒヤシンスソファをはじめ、落ち着いた風合いの家具でまとめたアジアンインテリアに、パープル×オレンジのポップな色合いでアクセントをつけたコーディネートです。
エレガントなパープルにカバーリングしたソファまわりは、よりアジアンらしい雰囲気が出るよう、フロアーランプやウッドパネルを組合せています。
お部屋の間取りに合わせて組合せた収納家具。シンプルなデザインでどんな家具にも合わせ易いため、あらゆるミックスインテリアで重宝します。
アジアンミックスのコーディネート実例
アジアン×モダンスタイル
都会のアーバンリゾートをテーマに、ダークブラウン色の家具とシックな色合いでまとめたワンランク上の大人なミックススタイルです。
レトロ×アジアンスタイル
クラシックなデザインの家具とアジアンなヒヤシンス家具をミックスしたコーディネート。それぞれが個性の強いテイスト同士ですが、色を合わせたり雑貨の配置にこだわることでうまく溶け込ませることができます。
ナチュラル×アジアンスタイル
ナチュラルな風合いの内装や家具に、ヒヤシンス素材のソファでアジアンの要素をミックス。ブルーをアクセントカラーにすることで、流行りの西海岸インテリアのようなマリンテイストも表現することができます。
画像出典:クラシスホーム
シンプル×アジアンスタイル
シンプルにまとめた空間に、アジアの自然を連想されるグリーンの装飾をミックス。シンプルテイストのインテリアは寂しい印象になりがちのため、カラーコーディネートでの調整が大事になります。
まとめ
今回の特集はいかがでしたでしょうか。インテリアにミックススタイルを取り入れることで、自分だけのお気に入りの空間を作り上げることができます。そして、色々な組合せを楽しむうちに、新たな気付きや発見をしながら飽きずにお部屋づくりを楽しみ続けることができるでしょう。ぜひミックスインテリアにチャレンジしてみて下さい。