【開発エピソード】無垢材ローソファ~セイル・ローソファ (GB)~

【開発エピソード】無垢材ローソファ~セイル・ローソファ (GB)~

いくつかのソファデザインの中で非常に人気があってお部屋が広く見えるなど生活環境へのメリットもあるローソファ。この特集では、優雅に海上に浮かぶ帆船をイメージした「セイル・ローソファ」の商品開発エピソードをご紹介させていただきます。

プロローグ

「ラタンやヒヤシンスなどの天然素材ではなく、無垢材を使って新しいローソファがつくれないか?」というテーマからセイル・ローソファの開発はスタートしました。

セイル・ローソファ (GB)の開発プロセス

天然素材であるラタンやヒヤシンス素材でつくられているケイ・ローソファ・シリーズ。その背高は約58cmしかなく座面高も約33cmとかなり床面に近いソファで、重心が低く目線が下がることによりお部屋全体を広く開放的に見せる効果があります。さらにケイ・ローソファは拡張性にも強みを持ち、ライフスタイルの変化により買い足してコーナーソファにしたり、カウチソファセットにしたりと変幻自在に楽しめる点も魅力です。

「そのようなローソファを無垢材でつくることができたなら、さらに多くの方に気に入ってもらえるのでは。」という思いで無垢材ローソファの開発プロセスがスタートしました。搬入出等の輸送や販売価格を考慮した組立式を選択したまでは良かったのですが、構造的な課題も残り、想定外の長い開発期間をかけることとなったのです。

セイル・ローソファ (GB)のコンセプトとデザイン

無垢材ローソファのデザインを決定する際、「セイル=帆船」から着想を得ることになりました。

その理由として、既に新商品としてセイル・ダイニングテーブル、セイル・ダイニングチェアを発売していたため、リビングとダイニングを繋ぐセイル・シリーズとして開発を進めることが、よりa.flatブランドの統一感を生み出すと考えたからです。

そして、デザインの他に考慮しなければならない点がソファの強度でした。理想を言えば、テン・ハイバックソファのように力学的に適った構造にすれば良いのですが、背が倒れ込み奥行きが広くなりすぎてローソファのデザインからはかけ離れてしまいます。

テン・ハイバックソファの構造

傾斜のある背板を支えるアームや脚パーツの形が力学的に適ったデザインとなっています。傾斜があるため奥行きが広めなハイバックソファです。

セイル・ローソファの構造

海上に優雅に浮かぶ帆船をモチーフにしたセイル・ローソファ。垂直な背板をマストに見立てたデザインにより、すっきりとした開放感のあるローソファに。

最終的にはシンプルかつ適度な抜け感があって帆船のデザイン、まるで海の上に浮いているような優雅さ。これらの条件を満たすデザインがようやく完成し、デザイン画や縮小模型でもセイル・シリーズの統一感が表現できてきました。

その他のセイル・シリーズ商品の紹介

着脱可能なアームと脚パーツにするための試行錯誤

ソファの構造部分で一番悩まされたのは、アームや脚パーツとソファ本体との接続方法でした。ローソファの拡張性を考えるとアームや脚パーツを簡単に組み立てや取り外しができる着脱式にしなければならず、またセイル(帆船)のデザインを感じさせるフォルムでなければこの商品開発も意味がありません。

試行錯誤の結果、古くからの木工加工の一種で「片胴付き」という方法を応用することでアームや脚パーツを着脱可能な構造を取り入れました。

セイル・ローソファ本体とアームや脚パーツの着脱が簡単にできます。

着脱はシンプルで、本体とアームや脚パーツの取り付け後、ネジで固定するだけです。

接合部分を「片胴付き」にすることで商品の強度を増すことができました。

セイル・ローソファ (GB)の耐久性について

「片胴付き」は本来ほぞ組みの一種で木材と木材を強固に接着する際に用います。この方法をセイル・ローソファ本体とアームや脚パーツを片胴付きの形状にすることでパーツ同士が重なり合って大きな強度を生み出すように応用しました。さらにローソファ本体もパーツ毎に剛性を高める設計をしておりますので、組立家具でありながら歪みが極めて少ない完成度の高さとなっています。a.flatでは家具の耐久性評価を標準化するためにJIS(日本工業規格)やISO(国際標準化機構)の強度試験規格を取り入れ、自社試験を実施しています。

セイル・ローソファと同じ拡張性を持つケイ・ローソファ。デザインコンセプトと強度確保のため、セイル・ローソファと比較して背面部分の奥行きが厚くなります。

ソファ本体とアームや脚パーツの着脱には、日本古来の木工技術・ほぞ組みの一種である「片胴付き」を応用し、パーツ同士が重なり合って強度を増す接続方法を採用しています。

片胴付きとは

片胴付き(かたどうつき)は、ほぞ組みの一種。片胴付きは胴付きとほぞにより形成されます。通常は木材同士の接着に用いられる手法ですが、今回はセイル・ローソファの接続に片胴付きを応用することにより組立後の強度と精度を追求した構造にしています。

一般的に組立家具の接合部分には、ほぞ組みなどの木材加工はしないのですが、セイル・ローソファは本体とアームや脚パーツの相対するほぞ(柄)と胴付き部分を重ね合わせることにより、スッキリした厚みの背面でも大きな強度が確保できる設計にしています。

長い開発期間を経て完成したセイル・ローソファ (GB)

セイル・ローソファは名前の通り、優雅に海上に浮かぶ帆船をイメージしたデザイン。a.flatソファの特色でもある拡張性も兼ね備えた「セイル・ローソファ」。サイズ展開などラインナップも豊富です。ライフスタイルの変化により買い足してコーナーソファにしたり、カウチソファセットにしたりと変幻自在に楽しめます。

なぜ、ローソファが選ばれるのか?

掲載されている商品

ゆったり座ることのできるソファはチェアと比較してやや低めにつくられています。ローソファの場合は標準的なソファよりもさらに低く、セイル・ローソファやケイ・ローソファの座面高は床から約33cmの高さしかありません。では、なぜそのような低いソファが今人気を集めているのでしょうか。

お部屋に開放感が生まれる

床からの座面高が33cmしかない、セイル・ローソファ。お部屋で一番大きな家具とも言えるソファの高さを低く抑えることで、目線が下がり窓や天井の空間が広く開放的に見えます。

セイルシリーズのローテーブルやサイドテーブルで統一し、さらにお好みのファブリックで彩れば、リゾートホテルのような空間づくりを楽しめます。

座面が床に近く、日本のライフスタイルに合っている

欧米と違い、多くの日本のお部屋では靴を脱いで過ごします。床に近い生活をしていた日本人がローソファを好むのはごく当たり前で、心が安らぐでしょう。また、お子様やペットがいるご家庭で安全上座面の高いソファを敬遠している方もローソファなら安心。床とソファの距離も近いので、コミュニケーションがとりやすい点も嬉しいですね。

デイベッドのように使いやすい

セイル・ローソファの座面クッションは広くフラットなつくりなので、デイベッドのように寛げます。

肘掛と座面の高さに大きな差がなく、クッションなどに頭を当てて楽に横になることができるため、セイル・ローソファは、お昼寝ベッドとしても使える贅沢なロースタイルのソファです。

ケイ・ローソファとの共通点と相違点

ケイ・ローソファのモジュールを参考にして商品化した「セイル・ローソファ」であるため共通な部分が多く、例えばヒヤシンス素材(ケイ・ローソファ)から無垢材(セイル・ローソファ)への本体の買い替えも可能です。さらに、既にローソファカバーをお買い上げいただいているお客様は、カバーやクッション類はそのままお使いいただけたりと仕様の共通化をしています。

クッション中材類の共通化

セイル・ローソファとケイ・ローソファの座面クッション・背クッション・ボルスタークッションと全て同じ寸法とクッション密度でつくっています。そのため、クッション中材類はそのままに、ヒヤシンスやラタン素材のケイ・ローソファから無垢材のセイル・ローソファへの買い替えも可能です。

ソファカバーの色替え

a.flat商品の普遍的な要素でもあるソファカバーの色替え。セイル・ローソファはケイ・ローソファと同じ寸法・仕様のクッションを採用しているので、ケイ・ローソファ同様に別売りのカバーから色・生地を選んでカラーコーディネートが可能です。また、カバーは約100色と多彩なのでシンプルな無垢材フレームとのコンビネーションを思い切り楽しめるでしょう。

永く使える拡張性とサイズ展開

a.flatソファの特徴でもあるローソファの拡張機能。こちらもケイ・ローソファ同様にセイル・ローソファもアームの着脱機能と豊富なパーツにより、組み換えや拡張を行うことができます。「一人暮らし」に始まり、ソファをさらにプラスして「二人暮らし」や「家族暮らし」にフィットしたサイズ感で、セイル・ローソファを長くご愛用いただけるでしょう。

ケイ・ローソファとの相違点

見た目で直ぐにわかる素材の違い以外に寸法的に変わったところはなさそうですが、実はセイル・ローソファの奥行き寸法はケイ・ローソファよりも約4cmほど小さくつくられています。これは、接合部分を片胴付きにすることにより背面部分の厚みを最小限に抑えることができた結果で、奥行き寸法が約4cm小さいだけでも生活動線がより広げられるなどのメリットがあります。

■ケイ・ローソファ : 奥行き約89cm

ケイ・ローソファとセイル・ローソファのクッション中材は同じ寸法・仕様で共通化しています。

■セイル・ローソファ : 奥行き約85cm

セイル・ローソファの奥行きはケイ・ローソファよりも約4cm小さくつくられています。

まとめ

セイル・ローソファの商品開発エピソードはいかがでしたか。セイル・ローソファは帆船(はんせん)から着想を得て開発された無垢材ローソファで、帆船を模したフォルムながらも軽やかさや抜け感にも気を配りながらつくり上げました。ものづくりの観点では、今回の商品開発でもっとも重要だったのはソファパーツの接続方法でした。a.flatは今後も安全性が高く一般的に困難と思われる商品にもアイデアを出し合い、お客様に満足していただける商品の開発をおこなってまいります。

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